2016年に発生したラニーニャ現象が今年2017年になってもまだ継続しています。
前回の発生時期は2010年夏から2011年春までですから5年ぶりの発生です。
ラニーニャ発生の年は異常気象が心配され夏は暑く冬は寒くなるといわれています。
去年12月には北海道で50年ぶりの大雪がありました。
エルニーニョと対をなす気象用語ですが、知名度は少し低いかもしれません。
今年の降雪予報は前回の記事にまとめましたが、そもそもラニーニョてなに?
について簡単にまとめてみました。
ラニーニャ現象とは
気象庁HPより
(上記図では左がエルニーニョで、東太平洋の海面温度が上がっています。
右がラニーニョで、その反対であることが分かります。)
一般的にはエルニーニョ/ラニーニャ現象と呼ばれていて、
太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、 その状態が1年程度続く現象をエルニーニョと呼び、逆に低い状態が続くものをラニーニャ呼び、それぞれ数年に一度発生します
世界共通の定義はなく、気象庁の定義は次のとおりです。
エルニーニョ監視海域(南緯5度?北緯5度、西経150度?西経90度)の海面水温の基準値(その年の前年までの30年間の各月の平均値)との差の5か月移動平均値(その月および前後2か月を含めた5か月の平均をとった値)が6か月以上続けて +0.5℃以上となった場合をエルニーニョ現象、?0.5℃以下となった場合をラニーニャ現象と定義しています。
簡単にいうと東太平洋の海面温度が平年よりある程度高ければエルニーニョ、低ければラニーニョです。
ラニーニャ現象の日本の冬への影響
東太平洋の海面温度が低ければ、シーソー原理で逆に西太平洋の海面温度は高くなります。
海面温度が高いと対流活動が活発になりその上空で積乱雲の発生が多くなります。
積乱雲の発生に伴って冬型気圧配置が強まるとともに、上空の偏西風は大陸東部で東に、日本の東で南に蛇行します。
その結果、北日本付近が気圧の谷となりやすく、低気圧の影響を受けやすくなります。
低気圧が発生しなければいいわけですが、そうもいきません。
冬の季節では低気圧は雨ではなく雪をもたらすため、大雪となる可能性が多くなります。
ラニーニャの由来
ちょっと硬い話になってしまいました。
ところで「エルニーニョ」ってどんな意味か知っていますか。
エルニーニョとはスペイン語で男の子という意味でスペルはEl Ninoです。
大文字でつづられることから一般の男の子ではなく、幼子イエス・キリストを指している言葉なんです。
なぜこんな名前が付けられているかというと、もともとペルー北部の漁師が、小規模な暖流が毎年クリスマス頃に発生することに気が付いてエルニーニョと呼んでいたんですね。
それで後にペルー沖の海水温が平年よりも異常に高くなる現象が発見されたときにこの経緯をもとに、エルニーニョと呼ぶようになりました。
ラニーニョはエルニーニョと対をなす反対現象だというのは上で述べていますが、そのため以前はアンチ・エルニーニョと呼んでいました。
ただ、アンチ・エルニーニョは、「反キリスト」の意味になりますので好ましくないという意見がでてアメリカの海洋学者フィランダーが、1985年にスペイン語で女の子を意味するラニーニャに改めることを提唱し定着したという経緯があります。
ラニーニャのスペルはLa Ninaです。
たしかにアンチ・エルニーニョよりラニーニャのほうが可愛らしくていいですね。
ただ、実際はかわいらしいだけではなく、お転婆なのですが、、
まとめ
ラニーニャ・エルニーニョともその発生メカニズムは未だ解明されてません。
ただ、世界的に異常気象を引き起こす可能性が大きいことは分かってきました。
この冬は5年ぶりのラニーニャ発生の年です。
ころばぬ先の杖で大雪等への対策を準備しておいた方がいいかもしれません。
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