今年は西暦2022年で令和4年の寅年。
相変わらず落ち着かない社会状況ですが、新しい変化が起こりそうな年でもありますね。
というのは、年初めに寅が重なっているからです。
今年の干支が寅だということはご存じかと思いますが、寅の月と寅の日・寅の時刻というのもあるんですよ。
寅年(干支)のいわれとは
下記の計算サイトを使わせていただくと簡単に任意の日付の干支が分かります。(※干支計算で暦日を指定してください。)
なぜ二つあるかというと、旧暦を利用していた時代の人々は年の区切りについて「暦月」と「節月」を併用していたからです。
「暦月」 年干支は新暦の正月、月干支は新暦月の1日で切替り
「節月」 年干支は立春、月干支は二十四節気の節日で切替り
上記の検索結果で分かるように2022年1月1日は、寅年・寅の月・寅の日です。
寅が3つも揃う非常にまれな廻りあわせなので今年は大変化が起こる年になるかもしれません。
今年2022年の干支(えと)は寅ですが、厳密にいうと壬寅(みずのえとら)の下の部分のみを採用したものです。
寅は干支の3番目で動物としては虎が当てられています。
ただ、壬が何を意味するかは知らない人が多いかもしれません。寅は十二支の3番目ですが、壬は十干(じっかん)の9番目です。
干支の元には、十干十二支(じっかんじゅうにし)という古代中国で生まれた考えがあります。
十干と十二支を組み合わせた60を周期とする数詞で暦を始めとして、時間、方位、ことがらの順序などに用いられています。さらに陰陽五行説とも結び付いて様々な占いにも応用されました。
干支のもとは十干十二支と陰陽五行思想
日本では「干支」を「えと」と呼んで、ね、うし、とら等の十二支のみを指すことが多いですが、そもそも「干支」は十干と十二支の組み合わせを指す語であり、「えと」は十干において「きのえ(甲)」「きのと(乙)」「ひのえ(丙)」「ひのと(丁)」と陽陰に応じて「え」「と」の音が入ることに由来します。
十干とは「甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)」です。
訓読みでは「甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)、丁(ひのと)、戊(つちのえ)、己(つちのと)、庚(かのえ)、辛(かのと)、壬(みずのえ)、癸(みずのと)」ですね。
十二支とは「子(ね)、丑(うし)・寅(とら)・卯(う)
辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)
申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)」です。
昔はこの二つを組み合わせて年を表していました。元号だけでは分かりにくい年でもこの方式で特定できます。
十干が陰陽五行思想(ごぎょう)の「木、火、土、金、水」とむすびつき、陽を兄(え)、陰を弟(と)に当てはめて下記の図のようによばれました。干支を「えと」と読むのは十干の兄弟(えと)に由来するのです。
出典:こよみの学校
六十干支とは十干と十二支の最小公倍数
十干と十二支の掛け合わせは120通りありますが、最小公倍数60で循環するように組み合わせているのが六十干支です。
十干と十二支を上表のように組み合わせて年・月・日の特定に利用しています。
順番の1番目は十干の1番目と十二支の1番目で甲子(きのえね)、2番目は十干の2番目と十二支の2番目で乙丑(きのとうし)、11番目は十干が10迄しかないので元に戻って十干の1番目と十二支の11番目で甲戌(きのえいぬ)、13番目は十二支が12迄しかないので元に戻って十干の3番目と十二支の1番目で丙子(ひのえね)となります。以下同様で60番まで行きますが、十干十二支の最小公倍数に達したため新しい組み合わせが不可能なため61番は最初の組み合わせの甲子に戻ります。
つまり循環60進法なので、生まれ年の干支から満60年経つと元の干支に還るというわけで還暦という言葉はここに由来します。また、この記法記述したものとして、「壬申(じんしん)の乱」(西暦672年)、や「戊辰戦争」(西暦1868年)、「辛亥革命」(西暦1911年)などが有名です。
寅の月とは
月の干支は上記と同じ六十干支を月に当てはめたものを指します。ただ月の数は12なので十二支は固定されます(現在ではほとんど使われませんが、十干の部分は毎年変わります。)
十二支と月との対応ですが、旧暦では冬至の含まれる月・11月を1番目の月(子の月)としていたので1月は3番目のため寅の月となります。
寅の日とは
日の干支は六十干支を日に当てはめたものを指します。
また、年や月が変わっても循環60進法でそのまま継続します。
この継続は紀元前から変わっていないので、ある意味すごいことですね。このおかげで古い歴史上の出来事も正確な日付が分かります。
寅の時刻とは
出典:SEIKO
1日24時間を12分して、深夜0時を起点の子の刻として十二支を割り当てます。ただ日の出およそ30分前を明け六つ、日没およそ30分後を暮れ六つとし、その間を昼夜それぞれ六等分して一刻(いっとき)とする不定時法が使われていました。更に一つの刻を30分刻みで四等分して、最初の30分を一つ、次を二つと細かく時刻を表していました。
そのため厳密ではありませんが、寅の刻はおおむね午前3時から5時の間を指します。
慣用句として、「草木も眠る丑三つ時」がありますが、丑三つ(うしみつ)は丑の刻(午前1時から午前3時まで)の3番目の30分となりますので、現代の時刻にすると、おおむね午前2時から午前2時30分までの間で正に真夜中になります。
まとめ
日本は干支を年・月・日・時刻に割り当てる文化があります。
昔は十干十二支で年を表していましたが、今は十干は使われず干支(十二支)のみが年賀状等に使われています。
月に関しては決め方が一定で、干支の始まり子を11月に当てるので1月は寅の月となります。
日に関しては年や月の切り替わりを考慮せず、順番に六十干支を割り当てます。1日が寅の日ならば12日後の13日が次の寅の日となります。
時刻の決め方も一定で、干支の始まり子を深夜0時に当てるのでおおむね明け方の4時が寅の刻となります。ただ、不定時法なので夏と冬ではかなり時間が変わってきます。
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