色とりどりなおせち料理、
一段重から二段重・三段重。
段の数で大体何人前用か分かるので、段数を基準にしておせちを選んでいる人も多いようです。
個食(一人前)用おせちはまず一段重です。
ただ一段重でも特大・超特大を謳って大人数用のものもありますが、、
おせちをお重に詰める由来とその意味は?
いまではおせちは重箱に入っているのが普通で、不思議に思う人はいないでしょうが、実はおせちを重箱に詰めるようになったのは割と新しく江戸後期といわれています。
どうして、おせち料理を重箱に詰めるのかというと、「めでたさが重なるように」との願いをこめて段重ねの重箱に詰めるのだそうです。
実用的な理由では、たくさんの料理を用意するおせちでも、重箱に入れておけば重ねて置けるので場所を取りません。
それに、おせち料理は何日かに分けて食べるので、ホコリや虫が入らないように蓋があったほうが衛生的です。
おせちの由来については別の記事で書いていますが、
四段重ねが代表的な段数といわれています。
理由は4段が春夏秋冬を表していて、一つ多い五段の場合は神様からのいただきもの収めるために空にしておきます。
なお、4段重の場合、4段目の四は死に通じるので与の字を使います。
通販おせちの場合は、大家族がなくなってきたのにともない4段重はめったにありません。
「おせちのお重」各段へ詰める食材の基本は
また、各段のおせちに何を詰めるかというのも地方によって異なりますが、大まかな決まりがあります。
・一の重には「祝い肴」を入れます。 田作りや黒豆・数の子・きんぴらごぼうなどお酒のおつまみになるような料理が詰められています。
・二の重は「口取り」で、かまぼこ、栗きんとん、だて巻き、昆布巻きなどです。
・三の重は「鉢肴」で、焼き魚・甘露煮・コブじめやエビなど海の幸が入っています。
・与の重は、「煮物」でその名のとおり山の幸を使った煮物、野菜の煮しめや旨煮などが入ります。
もともと重箱にすきまの無いようにぎっしり詰めるやり方は関東風の重詰で、関西風はすきまを空けるものでしたが、今では豪華さを出すためかぎっしり詰まっているものがほとんどです。
段数によって盛り付け方は変わりますが、基本は4段重ねを踏襲します。
例えば三段重の盛り付けですが、四段重ねと異なり一の重には「祝い肴」や「口取り」となるものを盛り付けます。二の重・三の重は四段重ねの場合の三の重・与の重の中身を入れます。
二段・一段の場合は特に決まりはありません。
「おせちのお重」への詰め方いろいろ
おせちの基本的な詰め方といっても特別なものではなく、和食の基本に沿って詰めます。
代表的なものは次のようなものがあります。
<市松詰め>
少量・多種類に向いていて、最近は良く使われます。
隣の料理の味や色が移らないように板や笹や葉蘭などできちんと仕切ります。見た目もすっきりしますね。
<段取り>
料理の大きさによって三段か五段に横一列に盛ります。
尾頭付きなどは一番向うに、切り身でしたら中央あたりに盛ります。
<枡かけ>
これは斜め一直線に三段か五段にする盛り方で<手綱>とも言います。
この盛り方ならカニやタイなど立派なものが中央に収まりますね。
《放射盛り》
工夫次第でとても美しく見える盛り方で《末広》ともいい、中央から四方に広がる縁起の良い盛り方です。
まず中央を決め、四方に4か6の料理を配置します。
代表的なものは次のとおり。
<隅取り>
四隅を三角に使い、中央が菱形になる形です。
この放射盛りは、四方八方へ料理を配置するだけで様になりますので、わりと簡単な盛り付け方法と言えます。
中央に美しい料理を置けば全体が華やかになります。
お重に限らず丸型や角型の皿でも形になる便利な盛り方です。
まとめ
おせちのお重への料理の詰め方にも先人の思いが詰まっています。
基本的な考え方を知っておけば、おせちに限らず料理全般に応用が利きます。
ちょっとしたパーティーのディスプレーにも使ってみてください。
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